みなさん、こんにちは。
ブランド・コンサルタントの山崎です。
今回は
「ブランディングって世界ではどうなっているのか?
~カンヌラインズの観点から」
についてお話します!!
世界3大広告賞の一つであるカンヌライオンズですが、
その受賞作等の内容や傾向に関しては、
日本ではあまりご存知ない方が多いのではないでしょうか。
日本の本当の状況を知るには、グローバルと対比すると明快!
では、早速始めたいと思います!
世界3大広告賞というと、
・カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル
(通称:カンヌライオンズ)
・One Show
・クリオ賞
があげられます。
この中では、カンヌライオンズが日本では
一番馴染みがあるかもしれません。
このカンヌについては、私も2010年位から、
ざっくりではありますがその傾向を追っていました。
特に、その中の2012~2016年は、
自分が世界最大グループの外資広告会社に所属しており、
丁度その期間、その広告会社が
5年連続ネットワーク・オブ・ザ・イヤー(作品の最多受賞)を獲得していたので
世界の最先端且つ最高峰の作品を、社内外から直接感じることができ、
非常に貴重な体験となりました。
では、カンヌのこの約10年の潮流をお話しますね。
<2010年位まで>
それまでカンヌは「クリエイティブ・オリエンテッド」的な
クリエイターが自分たちのアイディアを競うような印象があり
個人的には、作品が何を言いたいかよく理解できないケースもあり
正直あまり興味を持てない部分がありました。
<2010年位から>
ブランドの思想を軸とした作品が登場するようになり、
ソーシャルグッドといった概念も出てきました。
そうなると、ブランド・コンサルタントの自分としては
各作品が何を言いたいのか、非常にわかりやすくなり
且つ、その頃から自分も非常に意識していた「社会課題への対峙」が含まれていて
作品自体が非常に感動的なものも増えてきて
急速に興味が湧いてきました。
また、テクノロジーの進化やSNSの普及と共に、
メディアのデジタル化・多様化が加速し
コミュニケーション設計も複雑化してきたため、
部門が多様化していったときでもありました。
<2015年頃>
その後、このソーシャルグッドという概念が、
一時的なもので終わるのか?定着するのか?
と注目していたのですが
この頃には定着してきたな、と思えるようになりました。
また新たにブランド・パーパス
という概念が出てきたのもこの頃かと思います。
<2018年>
ユニリーバのアランCEOは、カンヌの講演で
下記の非常に刺激的なコメントを発信しています。
「社会的意識を持たない広告は、ブランドの"Purpose"を汚染し、
マーケティング産業を衰退に向かわせるだろう」
「"Purpose"を持ったユニリーバのブランド(DOVEやクノールなど)は、
同社のほかのビジネスに比して69%スピーディに成長した」
「社会課題への対峙」が、ビジネスの成長をもたらす事例が出てきたと言えます。
<2020年>
新型コロナウイルスのため、中止
<2021年>
この頃には、社会課題に対する意識のレベルが更に上がり
テーマとして「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」が
掲げられるようになりました。
<昨年2022年>
「企業のパーパス(存在意義)や”持続可能性(サステナビリティ)」
が大きなテーマとなりました。
以上がこの約10年の潮流ですが、
私が在籍していた広告会社も、まさに同じ流れになっており、
2010年位までは
「ビッグ・アイディア」という創業者の言葉の元
“アイディアがブランドの課題を解決する”
とうたっていたのですが、
段々とアイディアだけでブランドの課題を解決することが難しくなりました。
その後、「The big ideaL」という概念が登場し
「ブランドとしての理想像」と「文化的テンション」を掛け合わせることで
“ブランドの大きな理念を導き出す”
というアプローチがグローバル共通メソッドとして使われるようになりました。
カンヌもこの広告会社も、約10年で
クリエイティブ・アイディアからブランド思想にシフトした
という流れはみごとに一致していた、と言えるでしょう。
また、カンヌの各部門の中では
TVCMやネット動画などを対象とした「フィルム部門」が最も権威が高い
と言われています。
私も、やはり動画の作品を特に注目していて
この10年における「お勧め10選」
というリストがあるのですが、
この作品群は、今見ても感動します。
これまで何度も観てきましたが、今だに見飽きるということがない
素晴らしい作品ばかりです。
ということで、
次回は、この「お勧め10選」から更に厳選して
数作品、ご紹介したいと思います!
次回もお楽しみに!!
無料相談会も開催中です!
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